薬剤は多くの疾患に対して処方されているため、薬のプロである薬剤師は必然的に疾患や薬剤に関するあらゆる知識が必要とされています。
高齢社会と言われる現在は、病院に入院してくる患者様の大半は持参薬(常用薬)を内服しています。つまり、基礎疾患がある方がほとんどであり、薬剤師として薬剤の評価をするには病態を理解する必要があります。
以前、ある方から言われた一言をいまだに覚えています。それは認定薬剤師や専門薬剤師の話があった時の話なのですが、
『スペシャリストの前にジェネラリストになりなさい」
当時はまだ新人薬剤師でしたので素直に受け入れ今まで業務に励んでいました。僕は今年で薬剤師歴7年目になりますが、ふと、この言葉を思い出した時に思いました。「今の僕もこの言葉に従っていいのか?」
ジェネラリストになれたのか?
新人の時は調剤室で調剤を行いながら様々な疾患や薬剤について触れる機会があり、勉強になります。しかし、業務に追われてなかなかじっくり考える時間がないのが現状です。
僕の場合は、2年目から病棟担当を任されるようになりました。当時は病棟業務を早急に進める必要があったため、例年より早く病棟担当になりましたが、他の病院では、数年は調剤室で業務を行う施設もあるかと思います。
病棟業務ではどうしても病棟の主診療科の疾患について学ぶ機会が多く、あまり他診療科に関わるガイドラインや薬剤について調べる機会が少なくなってしまいます。
結論から言うと、僕はジェネラリストにはなれていません。実際はジェネラルストの定義は明確には定まっていないと思います。
ではどうやってジェネラリストになれるか?それは日々の積み重ねによってなし得る事ではないかと思います。先ほどは病棟業務ではジェネラリストにはなれない的な事言ってしまいましたが、実際は、入院の目的となる治療以外の薬剤に関しては薬剤師が介入しやすいところが多いです。
例えば、抗菌薬の選択や腎機能低下による薬剤の投与量の提案、化学療法における副作用マネジメント、持参薬の総合的な評価などに関しては薬剤師能を発揮できるところではないかと思います。これらは薬剤師として総合的な知識がないとできない事であり、病棟業務をこなしていきながら学習していくしかないと感じます。そして薬剤師人生においては生涯を通してなっていくものと考えます。
ジェネラリストになろう!
最終的には何が言いたいかと言うと、ジェネラリストになるのを待っていたら、次に進めないと言う事です。もちろん全員がスペシャリストを目指したいとは限りませんが、僕はなりたいです。職場の先輩方にも専門や認定などに特化した知識や資格を持った方が多くいます。近いところで見ていると、やっぱりかっこいいし、周りから頼られているのは尊敬に値します。
僕は自己紹介でも少しお話ししましたが、父親がCKDであるため、薬学生のころから腎臓病に関しては興味がありました。実際臨床においても腎機能が低下した患者様は多く、また、薬剤投与には腎機能の評価は欠かせないものとなることから、腎臓に関する知識はとても臨床応用しやすく薬剤師の職能としてはとても魅力的に感じます。
目標は腎臓病薬物療法認定・専門薬剤師
腎臓病薬物理療法学会が認定している腎臓病薬物療法認定・専門薬剤師は、2020年1月現在で、専門薬剤師が17名、認定薬剤師が131名とまだまだ人数としては多くないです。しかし、薬剤師としてのスキルが十分に発揮できる素敵な認定制度だと思います。難易度としてはかなり難しいようですが、今後は腎臓のスペシャリストになれるように自己研鑽に励み少しでも患者様が安心・安全な医療を提供できるよう貢献していきます。
道のりは長いと思いますが、応援していただけると嬉しいです。
以下は現在使用している参考書です。腎機能別薬剤投与量 ポケットブックは毎日ポケットに忍ばせています。さっと投与量の確認できておすすめです。
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