先発薬とほぼ同じ!? 知らないと損する話
はじめに
「いつものお薬が高いな…」と思ったことはありませんか?
年齢を重ねると飲む薬の種類が増え、医療費の負担も大きくなります。でも、お薬の費用を抑える方法があります。それがジェネリック医薬品です。
「ジェネリックって本当に安全?」「先発薬と何が違うの?」と疑問に思う方も多いでしょう。私が薬剤師として患者さんと関わります。患者さんの中にもジェネリック医薬品についての理解が十分でなく、なんとなく先発品を希望される方を多く見受けます。
本記事では、先発薬とジェネリックの違い、ジェネリックのメリット・デメリット、そして最近の医薬品不足の問題について、分かりやすく解説します。
1. 先発医薬品とは?
**先発医薬品(新薬)**は、製薬会社が長年の研究と試験を重ねて開発し、市場に出す新しい薬のことです。
先発医薬品の特徴
- 開発に10〜20年かかる
- 特許で保護され、一定期間は独占販売が可能
- 研究費がかかるため価格が高め
2. ジェネリック医薬品とは?
**ジェネリック医薬品(後発医薬品)**は、先発医薬品の特許が切れた後に、同じ有効成分を使って製造された薬のことです。
ジェネリック医薬品の特徴
- 有効成分は先発薬と同じ(効果もほぼ同じ)
- 開発費が抑えられ、価格が安い(先発薬の30〜70%の価格)
- 形や色、味、添加物が異なることもある
例えば、
- 先発医薬品:ノルバスク®︎(高血圧治療薬)
- ジェネリック医薬品:アムロジピン錠
有効成分は同じですが、添加物や製造方法が異なる場合があります。
3. 先発医薬品を選ぶ人の理由
厚生労働省の調査によると、約30%の人が先発医薬品を希望しています。
その理由は?
- 安心感(50%):長年使っている薬に対する信頼がある。
- ジェネリックに不安(30%):成分や製造過程の違いが気になる。
- 過去に合わなかった(20%):以前ジェネリックを試したが、体質に合わなかった。
特に高齢者の方は、「飲み慣れた薬のほうが安心」と考える傾向があります。
4. 医薬品の供給不足とジェネリックの役割
最近、薬が不足していることが大きな問題となっています。
供給不足の理由
- ジェネリック医薬品メーカーの品質管理問題
- コロナの影響で医薬品の需要が急増
- 原材料の供給遅れ(輸入の遅延など)
このような状況で、ジェネリック医薬品を選ぶことで治療を続けやすくなります。
5. 「選定療養」について
2024年10月から、先発医薬品を希望すると追加費用がかかる場合がある制度が導入されます。
「選定療養」とは?
- 保険適用外になる部分が増える
- 先発薬を選ぶと自己負担が増える可能性
- 国の医療費削減を目的として導入
厚生労働省の見解
厚生労働省は、「ジェネリックを選ぶことで、医療費の適正化が図れる」と発表しています。
今後、ジェネリック医薬品を選択する重要性がますます高まるでしょう。
6. いくつかの例えを考えてみました。
1. 料理のレシピに例える
• 先発医薬品は、「オリジナルのレシピで作られた料理」。有名なシェフが長い時間をかけて開発し、試行錯誤を重ねて完成させたもの。
• ジェネリック医薬品は、「オリジナルのレシピを元にした料理」。味や栄養成分はほぼ同じで、同じような材料を使っているけれど、作り方や一部の材料が異なる場合がある。
2. ブランド品とプライベートブランド(PB)に例える
• 先発医薬品は、「有名ブランドの洗剤」。広告費や研究開発費がかかっているため、価格が高め。
• ジェネリック医薬品は、「スーパーのプライベートブランド(PB)の洗剤」。成分はほぼ同じで、洗浄力も変わらないけれど、パッケージや細かい成分の違いがあることも。
3. スマートフォンの充電ケーブルに例える
• 先発医薬品は、「Apple純正の充電ケーブル」。高品質で研究開発に時間とコストがかかっているため、価格も高め。
• ジェネリック医薬品は、「MFi認証を受けたサードパーティ製の充電ケーブル」。性能はほぼ同じで、問題なく使えるが、材質やデザインが少し違うことがある。
4. ファッションブランドの香水と類似品に例える
• 先発医薬品は、「ハイブランドの香水」。開発に多くの時間と費用をかけ、独自の香りを作り出している。
• ジェネリック医薬品は、「その香りを再現したフレグランス」。成分や香りの持続時間が少し違う場合もあるが、ほぼ同じ香りを楽しめる。
5. 映画のオリジナル版とリメイク版に例える
• 先発医薬品は、「オリジナルの映画」。制作には莫大な費用と時間がかかっている。
• ジェネリック医薬品は、「リメイク映画」。ストーリーの流れや演出は似ているが、キャストや細かい部分が違う場合がある。
どの例えが一番しっくりきますか?
参考文献
まとめ
ジェネリック医薬品を活用することで、
✅ お薬代を節約できる
✅ 安定供給が期待できる
✅ 選定療養の影響を受けにくい
ただし、
❌ 形や味が違うことがある
❌ 過去に合わなかった場合は注意が必要
お薬について迷ったら、薬剤師に相談してみましょう。
「ジェネリック医薬品ってどんなもの?」と気軽に聞いてみるのがおすすめです!