2020年5月20日に新規カリウム吸着薬として、薬価収載されました。
日本において45年ぶりの新規カリウム吸着薬です。
ロケルマの特徴はこれ!
- 消化管全体で作用
作用が速やかに発現します。
- 非ポリマー性無機陽イオン交換化合物
水分による膨潤がないため、便秘を起こしにくい。
- 維持期においては1日1回の内服
服薬コンプライアンス向上に繋がります。
名称の由来
「下げる(lower)」と「カリウム血症(kalemia)」から「LOKELMA」と命名
作用機序
- カリウムイオンを選択的に捕捉して水素イオンとナトリウムイオンと交換する。
- 消化管内腔における遊離カリウム濃度を低下させる
- 血清カリウム濃度が低下する。
用法用量
ロケルマは投与する透析患者か否かによって用法用量が異なります。
●非透析患者
初回から2日間:1回10gを1日3回内服
ただし、必要に応じて3日間まで延長して投与できます。
3日目以降:1回5gを1日1回内服
●透析患者
1回5gを非透析日に1日1回内服
飲み方
5g製剤、10g製剤ともに、水45mLで溶解して内服します。
飲み方については患者様への指導箋を参照してみてください。
ロケルマ®を 服用されている方へ 服用の手引き・服用ダイアリー
実際に飲んでみたわけではないですが、従来のカリウム吸着薬の散剤であるポリスチレンスルホン酸ナトリウムはザラザラした舌触りで内服に抵抗がある患者さんが多い印象です。
ロケルマはサラサラした無味無臭の製剤であり、内服しやすい薬剤ではないかと考えます。
投与する際の注意点
●ロケルマの効果発現は緩徐なため、緊急性の高い場合は使用しないこととされています。
緊急性の高い場合は、緊急透析やGI療法、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム注腸などで対応します。
●ナトリウムを放出するため、浮腫や心不全などに副作用があります。
まとめ
45年間も新規薬剤がなかったカリウム吸着薬についに期待の新人が現れました。
慢性腎臓病患者に対する薬剤は、リン吸着薬や活性炭など服薬しづらい薬剤が多く、確実に内服していただく事が難しいです。
しかし、ロケルマのように内服しやすく、服用回数の少ない製剤にする事で、服薬コンプラアンスを改善して治療効果を高める事ができます。
僕の勤める病院では今のところ採用の予定はありませんが、ロケルマの有用性を見定めて採用の提案をしていこうと思います。
同記事掲載にあたり、以下を参照いたしました。
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