今日調べた内容を書いていきます。
- 服薬指導で説明が必要なこと
- 用法用量、注意点
- 腎機能低下患者における注意点、腎臓への影響
- 薬物動態
- その他
腎機能低下患者におけるNTM治療薬について
調べたのは以下の薬剤です。
- リファンピシン(RFP)
- クラリスロマイシン(CAM)
- エタンブトール(EB)
リファンピシン(RFP)
服薬指導で説明が必要な内容
- 唾液、汗、尿、涙などの分泌に赤褐色の着色が起こることがある。しかし臨床上は問題ない
- 相互作用に注意が必要な薬剤が多い(CYP3A4誘導)
- 副作用は、消化器症状、肝機能障害、血球減少など
用法用量、注意点
- 10mg/kg/day 最大量は600mg/bady/day
- CYP3A4誘導作用 CYP3A4で代謝される薬剤の併用は注意
腎機能低下患者における注意点、腎臓への影響
- 腎機能低下患者においても減量の必要がない
- 腎不全、間質性腎炎、ネフローゼ症候群の報告あり(頻度不明)
薬物動態
- 蛋白結合率80%
- 尿中未変化体排泄率15%
- 半減期5hr
- 透析性なし
その他
- リファンピシンが使用できない場合はリファブチン、ただしCCr<30mL/minで50%減量が必要という報告がある
クラリスロマイシン(CAM)
服薬指導で説明が必要な内容
- 相互作用に注意が必要な薬剤が多い(CYP3A4阻害作用を有する)
- 副作用は、消化器症状、肝機能障害、血球減少など
用法用量、注意点
- 15〜20mg/kg/day
- CYP3A4阻害作用 CYP3A4で代謝される薬剤の併用は注意
- P糖タンパク質(P-gp)基質
腎機能低下患者における注意点、腎臓への影響
- CCr 10〜60mL/min 常用量の50〜100%量 CCr<10mL/min 50%量
薬物動態
- 蛋白結合率65〜75%
- 尿中未変化体排泄率15〜38%
- 半減期2.3〜6hr
- 透析性なし
その他
- 腎機能低下患者においてコルヒチンとマクロライド系抗菌薬の併用で汎血球減少や消化管障害などの致死性のコルヒチン毒性が上昇するとの報告あり
エタンブトール(EB)
服薬指導で説明が必要な内容
- 代表的な副作用として視神経障害があるため、セルフチェックを指導する
用法用量、注意点
- 15mg/kg/day 最大量1000mg/body/day
腎機能低下患者における注意点、腎臓への影響
- CCr 10〜50mL/min 500mg/day 24時間ごと
- CCr<10mL/min 250mg/day 24時間ごと もしくは 500mg/day 48時間ごと
薬物動態
- 蛋白結合率6〜30%
- 尿中未変化体排泄率80%
- 半減期3〜4hr
- 透析性あり
その他
- 視神経障害の原因となるため、糖尿病患者に対して原則禁忌となるが、糖尿病だけが理由で投与を避けることはできない。
まとめ
NTM治療薬は相互作用作用が多く、CYP3A4やP-gpの基質となる薬剤との併用には注意が必要である。
個人的に見過ごしそうだと思うのは、CAMが、ここ数年で良く使用されるようになったスボレキサント(ベルソムラ®︎)との併用が禁忌である点です。病院では、処方薬以外に指示簿で「不眠時、ベルソムラ1錠」の指示があるため、見逃しやすいと感じます。相互作用チェックには指示簿にも注意して確認したいですね。
今日参考にしたのは書籍です。
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